記憶に新しいのは、ラグビーワールドカップ2019(男子)は、2019年9月20日から11月2日に日本で開催された第9回ラグビーワールドカップです。アジア初、またティア1(ラグビー界における最上位の階級)以外の国における初の開催となりました。公式キャッチコピーは「4年に一度じゃない。一生に一度だ。 -ONCE IN A LIFETIME-」です。日本代表チームの決勝トーナメント出場でも日本中が注目し、2019年の「新語・流行語大賞」に 「ONE TEAM」 が選ばれたりして、日本中で大ブームになりましたね。 この言葉は、 ラグビーワールドカップ日本代表チームのスローガンです。
今度は女子です。
ラグビーワールドカップ2021(RWC2021:Rugby World Cup 2021)(女子)は、ニュージーランドで2022年10月8日から11月12日まで開催予定の第9回ラグビーワールドカップ(所謂、ラグビーユニオン『15人制ラグビー』のナショナルチームの世界選手権大会)です。ニュージーランドでは2011年男子大会以来の開催となります。
2019年8月21日、ラグビーワールドカップは性平等の観点から、大会の正式名から「女子」の単語を削除しました。
第9回ラグビーワールドカップ2021ニュージーランド大会及びテストマッチの女子日本代表の日程、場所、及びラグビーの簡単なルールについて興味のある方は、読み進めていただけると幸いです。
- 第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の出場チーム
- 女子日本代表の第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催日
- 第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催前にテストマッチ
- 南アフリカ第1戦(2022年7月24日)の結果
- そもそもラグビーとは?ルールも徹底説明!
- ラインアウト(Line out)
- 軽い反則:ノックオン
- 軽い反則:スローフォワード
- ポジション解説
- FW:フォワード
- BKバックス
- ダイレクトタッチ
- 自陣22mラインより敵陣側からのキック
- 自陣22mラインより内側からのキック
- 50:22「フィフティ・トゥエンティトゥ」
- ペナルティキックの場合
- 女子日本代表の南早紀(みなみ さき)主将のプロフィール
- フランカー/FLの齊藤聖奈(さいとう せいな)選手のプロフィール
- ラグビーワールドカップ(女子)いつからどこで開催?のまとめ
第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の出場チーム
プールAの所属チームの国名
・ニュージーランド
・オーストラリア
・ウェールズ
・スコットランド
プールBの所属チームの国名
・カナダ
・アメリカ
・イタリア
・日本
プールCの所属チームの国名
・イングランド
・フランス
・南アフリカ
・フィジー
女子日本代表の第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催日
女子日本代表の第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催日は、2022年10月8日(土)から2022年11月12日(土)までです。
日本 対 カナダ
「プール B」
・2022年10月9日(日)
・現地時間15:15~
・日本時間11:15~
・場所Northland Events Centre, Whangarei
アメリカ 対 日本
「プール B」
・2022年10月15日(土)
・現地時間17:30~
・日本時間13:30~
・場所Northland Events Centre, Whangarei
日本 対 イタリア
「プール B」
・2022年10月23日(日)
・現地時間12:45~
・日本時間08:45~
・場所Waitakere Stadium, Auckland
決勝進出までの道のり
第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021には12チームが出場し、各4チームで構成する3つのプール (A, B, C)に分かれて行うリーグ戦、合計18試合(6試合×3プール)を行い、前回の大会では各プールの勝者と、2位となったチームのうち最高点を獲得したチームが決勝トーナメントに進んでいました。
しかし、RWC 2021(Rugby World Cup 2021)では、各プールの上位1、2位に終わったチーム、そして3位に終わったチームのうち最も得点が高かった2チーム(合計8チーム)がノックアウトステージに進むことになります。これらのチームはシードに入り、準々決勝(8チーム)の対戦相手が決まり、勝者は準決勝(4チーム)に進みます。準決勝の勝者2チームが決勝戦に進み、敗者は3位決定戦に挑みます。
第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催前にテストマッチ
日本女子代表には、この第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021の開催前にテストマッチ『女子ラグビー日本代表テストマッチ(ラグビー太陽生命チャレンジシリーズ2022)』が5年ぶりに日本で予定されています。
日本 15 – 6 南アフリカ
・2022年7月24日(日)
・午後2:30~
・場所:岩手・釜石鵜住居復興スタジアム
日本 10 – 20 南アフリカ
・2022年7月30日(土)
・午後5:30~
・場所:埼玉・熊谷ラグビー場
日本 vs. アイルランド
・2022年8月20日(土)
・午後6:45~
・場所:エコパ
日本 vs. アイルランド
・2022年8月27日(土)
・午後6:45~
・場所:秩父宮
南アフリカ第1戦(2022年7月24日)の結果
日本 15 – 6 南アフリカ(日本の勝利)
ラグビーの15人制女子日本代表(世界ランキング12位)は南アフリカ代表(世界ランキング13位)を15―6で下しました。今夏4戦行う強化試合の初戦を白星で飾りました。
詳細には、日本が2トライ(10点:5点x2)、1コンバージョン(2点)、1ペナルティゴール(3点)を獲得に対して、南アフリカは2つのペナルティゴール(6点:3点x2)を獲得しました。得点の詳細ルールはこちら
日本国内でのテストマッチは5年ぶりです。
ラグビー女子日本代表の南早紀(みなみ さき)主将の感想
プロップ/PRの南早紀(26歳:横河武蔵野アルテミ・スターズ所属)主将曰く、「南アフリカ第1戦の勝利で手応えを感じ、苦しい場面でもディフェンスができました」と述べました。
詳細には、南早紀主将は「(相手に)トライを取らさず、自陣の苦しい場面でもディフェンスができました。セットプレーでもプレッシャーはかかっていたけど、自分たちが良いリズムで、自分たちのペースで(試合を)運ぶことができた」とうなずきました。
加えて、『今秋の第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021ニュージーランド大会に向け、国内で戦う経験ができる貴重な4試合です。残りの3戦へ「自分たちのミスで相手にボールを渡してしまうところが多くあったので、そこは次の試合に向けて規律を整えて挑みたい」』と課題も口にしました。
フランカー/FLの齊藤聖奈(さいとう せいな)選手の活躍と感想
より詳細には、サクラフィフティーンは、前半9分に先制トライを、フランカー/FLの齊藤 聖奈選手(30歳:三重パールズ(三重女子ラグビーチームPEARLS)所属)が奪いました。前半はディフェンスに時間を割き、日本ペースに持ち込むことができず、前半を5―6のビハインドで折り返しました。
しかし、後半24分にはフランカー/FLの齊藤 聖奈が再度、逆転トライを決めました。フランカー/FLの齊藤 聖奈選手がチームに勢いを与えました。
ともに敵陣ゴール手前での攻防を制し、「フィジカルに自信を持ってどんどん前に出た」と力強くインゴール(図1及び次のポイントを参照)へ押し込みました。
前半をビハインドで折り返したが、試合を通して粘り強いディフェンスを披露し、相手をノートライに抑えた堅守も光りました。フランカー/FLの齊藤 聖奈選手は、体格差のある南アフリカに屈することなく、「ずっとディフェンスでボールを取り返す練習はしてきたので、練習通りにできた。」と手応えを口にしました。
・インゴール
ゴールラインとデッドボールラインの間のスペース。相手陣のここにボールをグラウディングすればトライとなる。自陣のインゴールに自分たちでボールを持ち込みグラウンディングした場合は相手ボールの5mスクラムで再開されます。

加えて、フランカー/FLの齊藤聖奈選手は、「5年ぶりの女子ラグビーの国内テストマッチの開催に感謝している。世界トップクラスのフィジカルを第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021ニュージーランド大会前に感じることができたのは良かった」と改めて手応えを口にした。
レスリー・マッケンジー・ヘッドコーチ(HC)の感想
レスリー・マッケンジー・ヘッドコーチ(HC)は「ディフェンスには満足しているし、相手の強いスクラムに対抗できる強さを示すことができた」と納得の表情でした。
修正点に前半の戦い方を挙げ「(自陣でのプレー時間が増えた)プレッシャーがあったからこそ、(今秋の第9回ラグビーワールドカップ(女子)2021ニュージーランド大会に向けて)学ぶ機会を増やすことができた」と前向きに捉え、次戦を見据えました。第2戦は2022年7月30日に埼玉・熊谷ラグビー場で行われます。
・テストマッチ(Test match)とは、
ラグビーにおけるナショナルチーム(国代表)同士の真剣勝負を意味し、国と国の誇りをかけた国際試合のことを言います。
元々は「ラグビー」や「クリケット」で使われていた言葉でしたが、それが他のスポーツにも広まりました。
「Test」には「試す」という意味があるため、「練習試合」や「親善試合」と思われがちだけど、ラグビーではプライドをかけたガチンコ勝負を意味します。
テストマッチと呼べるのはフル代表同士の国際試合のみで、例えば「U23日本代表」や「高校日本代表」の国際試合はテストマッチとは言いません。
・世界最古のテストマッチ
世界のラグビーにおいて、一番はじめに行われたテストマッチは1871年の「イングランド vs スコットランド」戦だといわれています。
15人制ラグビーの世界一を決める「ラグビーワールドカップ」がはじまったのは1987年だから、それより116年も前に実施されていたことになります。
テストマッチに出場する選手はその栄誉を称えられ、キャップ(帽子)が贈呈されることになります。
これは、ラグビーのルーツであるイングランドの「ラグビー校」が、対抗戦に出場した選手にキャップを贈呈していたことに由来します。
上述した「キャップ(CAP:帽子)」とは?
・キャップ(CAP)
「テストマッチへの出場回数=キャップの数」であることから、ラグビーではテストマッチへの出場回数を「キャップ数」で表現します。
テストマッチに10回出場したことがあるなら「10キャップ」
テストマッチに60回出場したことがあるなら「60キャップ」
初めてテストマッチに出場するなら「初キャップ」という風に言います。
ちなみに、日本で最も多く「キャップ数」を保有している選手は、東芝の大野均(おおの ひとし)選手で98キャップです(2016年6月現在)。
これは日本代表歴代No.1の出場回数です。
特に、世界記録保持者は元オールブラックスのリッチーマコウ選手で148キャップです。
このキャップ(帽子)だけど、実際に出場した回数分もらえる訳ではなくて、2回目以降は星型のワッペンになります。
5回出場するごとに、星型ワッペンが1つ贈呈されるよ。
そのため、キャップに縫い付けている人もいれば、キャップと同じ箱に入れている人もいるそうです。
ただ「ラグビーワールドカップ」だけは、特別なキャップが新たに授与されます。
・チームの総キャップ数
このキャップ数は「経験値」としても捉えることができて、ワールドカップのような大きな大会ではチームの総キャップ数が重要だといわれています。
ワールドカップは、通常のテストマッチより遥かにプレッシャーがかかるため、経験豊富な選手がいかにチームの支柱となれるかが鍵となります。
ラグビー日本代表の元ヘッドコーチであるエディージョーンズ氏は、「ワールドカップで戦うには先発15人の総キャップ数が550、優勝するには600前後のキャップ数が必要になる」と語っています。
総キャップ数600となると、一人あたり40キャップ。
このキャップ数は、代表選手のプロフィールと共に記載されていることが多いので、これからは「キャップ数(CAP)」にも注目して見てみてくださいね!
そもそもラグビーとは?ルールも徹底説明!
ラグビーの精神
ラグビーは身体接触が多く危険が伴う。
プレーヤーは自分と相手の安全に留意することが重要です。
ラグビー憲章には「品位・情熱・結束・規律・尊重」の5項目が記載されています。
ラグビーが「紳士のスポーツ」と言われる所以であります。
ノーサイド
試合終了のことです。
試合が終わると敵味方がなくなるという意味です。
身体を張った激しい戦いは終わり、健闘を称え合います。
プレーの原則
(1)相手陣の奥にボールを置くと、トライで5点。陣取り合戦であり、ゲームマネージメントが大事です。
(2)立ったまま正々堂々とプレーする。
(3)攻撃側はボールを持った人が常に先頭に立ち、ボールを相手の陣地へ向かって進める。守備側はボールを持つ人にしかタックルできません。
ルール解説:ラグビーの試合
◆プレーヤーの人数
15人制では15名。交替は最大8名まで。
脳震盪(のうしんとう)・出血等での一時的な交替もみとめられている。特に、世界で一般に「ラグビー」と呼ばれているのはこの15人制ラグビーの「ラグビーユニオン」を意味します。
尚、7人制ラグビー(しちにんせいラグビー、英: Rugby sevens)は、1チーム7人の選手で行われるラグビーユニオン(15人制)の変種です。セブンズ (Sevens)ともいわれます。スコットランドのメルローズが発祥で、2016年リオデジャネイロオリンピックから夏季オリンピック正式種目にも採用されました。
◆試合時間
前後半40分の合計80分。ハーフタイムは15分以内。
トップレベルの試合では、時計はロスタイムを除いて表示。
時間になるとホーンが鳴り、プレーが途切れたところで試合終了。
◆ボール
・楕円形で皮、または合成皮革素材の4枚張り
・長さ:280~300mm、縦の周囲:740~770mm、横の周囲:580~620mm
・重さ:410~460g
※昔:茶色の本革、白い編み目
※今:合成皮革、縫い目なし
◆キャプテン
・試合中、レフリーに意見できる唯一の資格があります。
・レフリーの決定に関連する、プレーの選択についても責任を負います。
※サッカーのようなキャプテンマークはつけない。
ラグビーの得点
◆トライ(T):5点
相手陣のインゴール(上述の図1参照)にボールを持ち込んで、地面につけると5点を獲得。
※ペナルティトライ(認定トライ)はキックなしで7点を獲得。
◆コンバージョンゴール(G):(T)+2点
トライに与えられるキック。H型のゴールポストとバーの上の間を超えると合計7(=5点+2点)を獲得。但し、『トライした地点からタッチライン(上述の図1参照)に平行な延長線上からキック』を行います。ボールを地面においてキックします。
◆ペナルティゴール(PG):3点
重い反則で与えられるペナルティキックとして、キックでゴールポストとバーの上の間を越えると3点を獲得。ボールを地面においてキックします。
◆ドロップゴール(DG):3点
プレー中、ボールをワンバウンドさせて、PG同様ゴールを狙うキックです。ボールをワンバウンドさせてキックします。
ラグビーの主なプレーと反則
◆ラグビーのプレーの原則は「ボールを持った人が常に先頭」。
そのため、ボールを前にパスしたり(キックは前に蹴れる)、選手がボールより前でプレーすることも禁じられている。
また、もう一つの原則は「立ったまま正々堂々とプレーする」(オンフィート/on feet)。
そのため、倒れたままプレーする(オフフィート/off feet)は反則。
◆ここではラグビーの主なプレーとそこで発生しやすい反則を紹介。
・軽い反則が発生した場合はスクラム、
・やや重い場合はフリーキック(ペナルティゴールを狙えない:フリーキックとは、やや重い反則を犯した時に与えられるキック。ゴールを狙うことはできない。タッチに蹴った場合、相手ボールのラインアウトで再開)、
・重い反則にはペナルティキックが与えられる。
タックル
・守備側の選手がボールを持つ相手に組み付き、前進を阻む(はばむ)プレー。タックルした選手はすぐに相手を放し、された選手はすぐにボールを放します。
・タックルした選手、タックルされた選手は立ち上がって、ボールの後ろからプレーに参加します。
タックルでの主な反則
肩より上の「ハイタックル」、
相手を掴まずぶつかるだけの「ノーバインドタックル」、
ボールを持っていない相手にタックルする「ノーボールタックル」、
プレーを妨害する「オブストラクション:ボールを持っていない相手プレーヤーを妨害する反則。相手チームにペナルティキックが与えられる」、
足をひっかける「ハッキング」はいずれも相手にペナルティキック。
スクラム
スクラムとは、ノックオンやスローフォワードなど、軽い反則(ミス)によってプレーが中断してしまったときに、試合を再開させるためのセットプレーです。
昔はスクラメージ(scrummage)と呼ばれていて、現代では短縮されてスクラム(scrum)となりました。
スクラムは、フォワード(FW)と呼ばれる8人のパワー自慢の選手たちが相手チームと組み合って押し合い、真ん中に投入されたボールを足で奪い合っているラグビーの代表的なプレーです。
レフリーの
(1)「クラウチ(腰を落とす)」
(2)「バインド(相手を掴む)」
(3)「セット(組み合う)」でスクラムを行います。
スクラムでの主な反則
◆ボールを入れる前に押すのは反則です。
◆圧力に耐えられず崩れるのは反則です。
◆レフリーの「セット」のコールより先に組むと「アーリーエンゲージ」です。
◆ボールが入る前に押すと「アーリープッシュ」で「フリーキック:やや重い反則を犯した時に与えられるキック。ゴールを狙うことはできない。タッチに蹴った場合、相手ボールのラインアウトで再開」です。
◆故意に崩すと「コラプシング:スクラム、モールを意図的に崩す反則です」。相手にペナルティキックが与えられます。
◆スクラムは、低く組む方がより効果的だといわれています。
そのため、両チームは相手選手より優位な体勢でスクラムを組もうとするんだけど、それが崩れる原因となります。
また、雨などで足場が悪いと、滑って崩れてしまうこともよくあります。
このように、スクラムが自然と崩れてしまった場合は再度「組み直し」となるんだけど、故意に(わざと)崩してしまった場合は、上述のコラプシングというペナルティが取られてしまいます。でもその判断が非常に難しくて、レフリーでさえも「自然と崩れたのか故意に崩したのか」、また「どちらのチームが崩したのか」わからないことがあります。
◆ボールが出る前にスクラムから離れる「ノーバインド」は相手に「ペナルティキック:重い反則を犯した時に与えられるキック。ペナルティゴールを狙うことができ、タッチラインの外に蹴り出した場合は、続けてマイボールでラインアウトができる」が与えられます。
スクラムはマイボール側が有利
・スクラムは、投入したボールを取り合う行為(セットプレー)だけど、当然、マイボール側(ボールの権利を持っている側)のチームが有利となります。
・例えば、相手チームがノックオンをして、マイボールスクラムになったとするよね。
その場合、基本的には味方の9番(スクラムハーフ)がスクラムの左側から投入するんだけど、両チームの真ん中ではなく、スクラムの中心線に肩を合わせて、自分の肩幅分だけ自陣側に立っても良いです。
・また、スクラムを組む際、相手選手の頭の左側に、自分の頭を入れることが義務付けられているため、フッキングをする(投入されたボールを足で後ろに送る)2番のフッカーは、相手フッカーより少しだけ先にボールに触れることができます。
・これらの理由から、マイボールスクラムは相手にボールを取られずに確保できる確率が高いとされています。
・でも、押されれば押されるほど、投入したボールが相手側にいってしまい、せっかくのマイボールを失ってしまうこともよくあります。
・スクラムは試合中に何度も行われるセットプレーだから、その度にボールを失っていたら勝てる試合も勝てなくなってしまいます。
・以上のことから、ラグビーにおいて「スクラム」は非常に重要なプレーとして位置付けられており、ラグビー通になればなるほど、スクラムから目が離せなくなります。
・華麗にトライを決めるバックスも良いけど、スクラムでチームのプライドをかけて戦うフォワードにも、ぜひ注目してくださいね。
ラインアウト(Line out)
・タッチラインの外にボールが出た後、試合を再開させるためのセットプレーです。
・タッチラインと垂直に並んだ両チームのフォワードプレーヤーの間
(1m離れて2列に並んだ両チームのフォワードプレーヤーの間)にボールを投げ入れて奪い合います。サッカーでいうスローインのようなものです。
・ボールを外に出したチームではない方がボールをスローインしますが、ペナルティキックで蹴り出された時は、蹴り出したチームがスローインします。
・ボールを投入するチームがラインアウトに並ぶ人数を決めることができます。
・基本的には、フォワード8人から、スローワー(ボールを投入する選手)を抜いた7人が並ぶことが多いけど、この人数は攻撃権を持っているチームが決めることができ、2人以上であれば何人でもいいです。
・ちなみに、ラインに並ぶ選手が6人以下のことをショートラインアウト(略:ショート)といい、レフリーに人数を宣告することでショートラインアウトが可能となります。
・ショートラインアウトの場合は、余ったフォワードのメンバーがバックスラインに並び、バックスと共にアタックに参加することができます。
・そのため、フォワードを交えた様々な攻撃を仕掛けたいときに、ショートラインアウトを選択することがあります。
ラインアウトの役割
◆スローワー
スローワーは、タッチラインからボールを投げ入れる人のことをいいます。
ルール上、誰が務めても良いんだけど、基本的にフッカー(2番)が務めることが主流となっています。
◆ジャンパー
ジャンパーは、スローワーが投げ入れたボールをジャンプしてキャッチする人のことをいいます。
相手チームより高ければ高いほど有利なので、チームの中でも一番身長の高いロック(4番・5番)が務めることが多いです。
でも、ラインアウトのバリエーションを増やすために、3人目のジャンパーとしてフランカー(6番・7番)やナンバーエイト(8番)が跳ぶこともあります。
◆リフター
リフターは、ジャンパーを持ち上げてサポートする人のことをいいます。
ジャンパーの太もも周辺を前後の二人で持ち、より高い位置にジャンパーを持ち上げる必要があります。
主に力のあるプロップ(1番・3番)が務めることが多いけど、ラインアウトはバリエーションが多ければ多いほどボールを確保できる確率が上がるため、どの選手でもリフターをこなせるようにしています。
◆レシーバー
レシーバーとは、ジャンパーがキャッチしたボールを受け取り、バックスへパスする人のことをいいます。
これは、主にバックスのスクラムハーフ(9番)が務めます。
このレシーバーは、ラインアウトの中に入るのではなく、ラインアウトの参加選手から2メートル距離をあけなければいけません。
ラインアウトの立ち位置
◆ラインアウトだけど、スローワー以外のメンバーは、5メートルラインから15メートルラインの間に並ぶ必要があります。
◆両チームの間隔は1メートルあけ(架空の中心線から50センチずつ離れ)、その間に投げ入れたボールを奪い合います。
ボールを確保してからは、すぐにバックスへ展開しても良し、フォワードで固まって押し込んでも良し、サインプレーでトライを狙いにいっても良しです。
ラインアウトで起こる反則
◆ノット1メートル
ノット1メートルとは、ラインアウトで相手チームとの間隔を1メートルあけなかったときに取られる反則です。
中心線から50センチあけていないチームが取られてしまうんだけど、レフリーが予め注意してくれることが多いです。
ノット1メートルを取られた場合は、相手チームのフリーキックで再開します。
◆ノット5メートル
ノット5メートルとは、スローワーの投げ入れたボールが5メートルラインを越えなかったときに取られる反則です。
投げ入れたボールが5メートルラインに達しないということはほとんどありえないけど、ボール捕球時に足が5メートルラインを越えてしまっていたということはたまにあります。
この場合も、ノット1メートル同様、相手チームのフリーキックで再開します。
◆ノットストレート
ノットストレートとは、両チームの間にボールを真っ直ぐ投げ入れなかったときに取られる反則です。
スローワーは、両チームの間1メートル内にボールを真っ直ぐ投げ入れる必要があるんだけど、もしその範囲からそれてしまった場合はこの反則が取られてしまうのです。
相手チーム側はマイボールラインアウト、もしくは15メートルライン上でのマイボールスクラムを選択することができます。
※マイボールとは、自分達が攻撃権を持つこと
スクラムとラインアウトは、両チームがボールを奪い合うセットプレーだけど、スクラム以上にラインアウトはボールを奪われてしまう可能性が高いとされています。
そのため、相手より前で跳んだり、タイミングをずらしたり、サインプレーで相手を混乱させる必要があります。
でも、事前にサインプレーやコール(掛け声)を研究されるケースも多く、一筋縄ではいかないのがこのラインアウトなのです。
空中で邪魔をしたら反則
・両チームのジャンパーは、ボールを目掛けて奪い合うのはいいんだけど、相手の手を引っ張ったり押したりなど、ボールを捕る行為の妨げ(邪魔)をしてはいけないです。
・相手がボールを取る邪魔をしたり、空中で相手を妨害したりすると、相手を妨害したりつかんだりすると、「オブストラクション:ボールを持っていない相手プレーヤーを妨害する反則。相手チームにペナルティキックが与えられる」の反則を取られる。
この場合、重い反則を取られ、相手にペナルティキックが与えられます。
投げ入れるフリをしたら反則
・スローワーは、ボールを投げ入れるフリをしてはいけないです。
・野球のボークのように、投げる動作に入ってしまったらそのまま投げる必要があり、もし動作をやめてしまうと反則を取られ、相手にフリーキックが与えられます。
ボールが投入される前に跳んだら反則
・ボールを投げ入れるスローワーの手からボールが離れる前に、ジャンプをしてはいけないです。
・もしボールの投げ入れより先にジャンプをしてしまうと反則を取られ、相手にフリーキックが与えられます。
投げ入れるのに時間がかかりすぎたら反則
・ラインアウトの準備が整ったら、スローワーは速やかにボールを投げ入れないといけないです。
・投げられる状態なのに、ボールの投入に時間をかけすぎてしまうと反則を取られ、相手にフリーキックが与えられます。
軽い反則:ノックオン
◆ノックオン(Knock on)とは、ラグビーにおける最も代表的な反則の一つで、ボールを前に落とすことをいいます。
◆ラグビーには、ボールを前に落としてはいけないというルールがあるから、ボールを前方(相手陣地側)に落としてしまうと、ノックオンという反則が取られてしまいます。
ノックオンは、数ある反則の中でも一番軽い反則のため、反則というより失敗(ミス)と考えた方が理解しやすいです。
ノックオンにならないケースを説明
◆ボールを落とした位置が真横や後ろの場合はノックオンになりません。ノックオンは、ボールを前方に落とすことをいうので、ボールを落とした位置が「真横」や「後ろ」であれば、それはノックオンにはならずプレーは継続されます。
ちなみにボールを後方に落とすことはノックバックといいます。
◆チャージダウンの場合はノックオンになりません。
相手のキックを防ぐために、両手を挙げプレッシャーを与えることをチャージダウン(略:チャージ:キックで蹴り出されたボールを身体で止めるプレー)といいますが、相手の蹴ったボールが手や腕に当たって前方に落ちたとしても、これは「チャージダウン」とみなされ、ノックオンにはならないです。
◆相手にもぎ取られたボールが前方に落ちた場合はノックオンになりません
密集で、相手選手にボールをもぎ取られてボールが前方に落ちてしまった場合、これはもぎ取った相手選手が後方にボールを落としたことになるため、ノックオンにはなりません。
◆ドロップキックの場合はノックオンにならない
ドロップキックとは、地面にボールをワンバウンドさせてから蹴り上げるキックのことなのですが、明確な意図のもとでバウンドさせて蹴り上げたキックはノックオンになりません。
仮にドロップキックを空振りしてしまったとしても、自分の意思でバウンドさせたのであれば、それはノックオンとは判断されません。
◆胸にボールが当たって前方に落ちた場合はノックオンになりません。
ボールが「手」や「腕」ではなく、胸に当たって前方に落ちた場合はノックオンにはなりません。
ノックオンは相手ボールのスクラムで再開
◆ミスによってボールを前方に落とし「ノックオン」が取られた場合、プレーは一度中断され、基本的にはノックオンした地点から相手ボールのスクラムで試合は再開されます。
◆ノックオンした場所がインゴール(上述した図1を参照)(ゴールエリア)の場合は、ゴールラインから5メートル離れた地点でスクラムが行われます。他方、タッチライン(図1を参照)際でノックオンした場合は、タッチライン(図1を参照)から5メートル離れた地点でスクラムが行われます。
軽い反則:スローフォワード
・スローフォワード(Throw forward)とは、ラグビーにおける最も代表的な反則の一つで、ボールを前に投げることをいいます。
・海外では「Forward pass(フォワードパス)」ともいわれています。
・ラグビーには、ボールを前に投げてはいけないというルールがあるため、ボールを前方(相手陣地側)に投げてしまうと、「スローフォワード」という反則が取られてしまいます。
でも、スローフォワードは、数ある反則の中でも一番軽い反則のため、反則というより失敗(ミス)といった方が理解しやすいです。
・尚、スローフォワード(Throw forward)という反則名は、「スロー(投げる)」「フォワード(前に)」という意味からきています。
スローフォワードにならないケース
◆真横へのパスはスローフォワードになりません。
ラグビーは基本的に、後方へパスを繋ぎながら前方に進んでいくというスポーツなんだけど、真横へのパスはスローフォワードになりません。
でも、パスの方向が少しでも前にそれてしまうと、スローフォワードを取られてしまうから気を付けないといけません。
◆後方に投げたボールが地面にバウンドして前方にいった場合はスローフォワードになりません。
◆後方に投げたボールが地面についた時点で「後ろへのパス」が成立しているため、バウンドによって前方に転がったとしてもそれはスローフォワードになりません。
スローフォワードは相手ボールのスクラムで再開
◆ボールを前方にパスしてしまって「スローフォワード」が取られた場合、プレーは一度中断され、基本的にパスした選手の地点から相手ボールのスクラムで試合が再開されます。
◆もし、スローフォワードしたボールがタッチライン(上述の図1を参照)の外に出てしまった場合は、「ボールを前に投げた地点でのスクラム」か「タッチラインを割った地点でのラインアウト」を、相手チームは選択することができます。
スローフォワードが発生したときの「レフリーシグナル」
◆両手をダランと下げた状態で、肘から下を左へ振るイメージです。
レフリーがこの合図を出したら、スローフォワードがあったんだなって思ってください。
ポジション解説
「図2」は、グラウンド上でのポジションの位置を示します。
「図3」は、ポジション名と略称と背番号を示した表です。


図2、図3(a)及び図3(b)に示されるように、ラグビーは15人のメンバーから成り立ち、それぞれに決められているポジションがあります。
このポジションは8人のFW(フォワード)と、7人のBK(バックス)に大きく分けられます。さらにFWはフロントロー、セカンドロー、バックローに分けられ、BKはハーフバック、スリークォーターバック、フルバックに分けられています。
FW:フォワード
・図2及び図3(a)を参照。
・スクラムを組み、ボールがタッチラインの外に出ればラインアウトで敵とボールを奪い合い、 BK(バックス)が捕まれば、すぐに駆けつけてボール確保に身を削ります。
・ボール争奪戦が主な仕事だが、時には力強く突進してディフェンスを蹴散らします。
現代ラグビーでFW(フォワード)の役割は増える一方です。
・ぶつかって、倒されて、また起きて走り出す。下敷きになったり、踏まれたりしながら、走り回るタフな男たちです。
プロップ/PR
◆背番号:1、3
「最前線で戦う縁の下の力持ち」です。
◆プロップ(Prop)は「支柱」「支え」の意味で、文字通りスクラムの柱。
◆『体重120kgオーバーも!最も重い選手たち。』
◆ラインアウトで、ジャンパーを持ち上げるサポートする人のことを言う。所謂、リフターのことです。
◆スクラムでは最前列で相手と組み合い、押し込みます。
◆モールでは相手を押し込めるように耐えます。
◆プロップは、総じてパワーと忍耐力でチームを支えます。
フッカー/HO
◆背番号:2
「セットプレーを操る要の役割」です。
◆フッカー(Hooker)はボールを「引っかける」ことを意味します。
スクラムでボールを足で引っかくところから由来しています。
◆『パワーと器用さを兼ね備える』
◆フッカーは、FW第1列中央でスクラムをコントロールします。
加えて、スクラムでは両隣に大きなプロップを抱え、足でボールを後ろに送ります。
◆ラインアウトでは、ジャンパーに向かって、ボールを投げ入れるスローワーとして、活躍します。尚、フッカー以外がボールを投げ入れても良いです。
◆フッカーは、総じてボールハンドリング、判断力、機動力が必要であり、パワーと器用さを兼ね備えます。
ロック/LO
◆背番号:4、5
「空中地上で進撃し続ける巨人」です。
◆ロック(Lock)は「固める」という意味があります。
FW2列目でスクラムに鍵をかけることからロックと言われています。
◆『身長200cmオーバーも!大きくて頼りになる男たち。』
◆長身の大型選手。
ラインアウトではジャンパーとして、高さ4mの空中戦を行い、ボールをキャッチします。
地上では、相手をなぎ倒し前進しボールを持っての突進すると共に、密集でのサポートを行います。
◆常に敵と戦う。
フランカー/FL
◆背番号:6、7
「ボール争奪戦の主力を担う」です。
◆フランカー(Flanker)は「側面に位置する人」という意味があります。
左右のフランカーはスクラムでは夫々片方の肩だけで押し込み、いつでも飛び出せる位置にいます。
◆『力強く速いボールの狩人』
◆フランカーは運動量が豊富です。
スクラムなどから真っ先に飛び出し、
攻撃ではボールに絡み、
守備では相手ボールを奪い取ります。
◆必殺技「ジャッカル」はタックルした相手から自立した状態でボールを奪うことを意味します。
この名前の由来は、日本でのプレー経験がある元オーストラリア代表「ジョージ・スミス」が得意としていた技で、彼のニックネーム「ジャッカル」が、技の名前へと定着していきました。
密集戦で相手のボールを奪い取る彼のプレーが、まさに猛獣のジャッカルのようであることから、そう呼ばれるようになりました。
ナンバーエイト/NO8
◆背番号:8
「FW最後尾に控えるスーパーマン」です。
◆ナンバーエイト(Number8)は背番号に由来します。
世界中では「エイトマン」とも呼ばれます。
『FWに的確な指示を送るリーダーです。』
◆スクラムでは、FWの一番後ろから攻撃に!守備に!参加して押し込みます。
◆セットプレーでサイドアタックしたりします。
◆時にはラインアウトでジャンパーとして飛んだりします。
◆時には攻撃ラインに入って突破したりして、攻撃ラインに参加したりします。
◆スーパーマンなみの活躍をします。
◆総合的なスキルが必要です。
BKバックス
・図2及び図3(b)を参照。
・筋肉質で大型の選手が並ぶFW(フォワード)に対して、BK(バックス)はスリムな選手が多い。
・FWが確保したボールをどう攻撃に結びつけるか考えるHB(ハーフバック)団のSH・SOには明晰な頭脳と俊敏性、スキルが必要であり、CTBは突破して前に進む強靭さも求められる。
・俊足を飛ばしてトライをあげるフィニッシャーのWTBは陸上の短距離ランナーのようだし、FBは最後尾の責任感と大胆さが要求されます。
スクラムハーフ/SH
◆背番号:9
「ボールをさばく俊敏なパス職人」
◆スクラムハーフ(Scrum Half)は、スクラムの近くにいるハーフバックを意味します。
◆『素早い動きを持つ戦略家』。
①スクラムハーフは、マイボールのスクラムでは、攻撃する方向の前面の左側からボールを入れ、フッカーがボールを足で引っかき、
②スクラムの最後尾のナンバーエイトからボールを出し、
③素早くパスしたり、もしくは、
④キック(ボックスキック)を行う。
◆密集で止まったボールは駆けつけて動かし続けます。
◆常にボールと共に動き回り、攻撃のリズムを作ります。
スタンドオフ/SO
◆背番号:10
「ゲームをコントロールする司令塔」
◆スタンドオフ(Stand Off)は「離れて立つ」。
◆サッカー同様、10番が「司令塔」。
◆よくボールを蹴るハーフバックの場合、フライハーフ(fly-half)とも呼ばれる。
◆『ラグビーセンスの塊』
◆スクラムハーフからボールを受け取り、
(1)どこへ走るか?
(2)どこへパスするか?
(3)どこへキックするか?
◆攻撃を選択するプレーメーカー。
◆戦術眼はもちろん
◆ラン、パス、キックのスキルも重要で、
◆ラグビー理解度が高い。
センター/CTB
◆背番号:12、13
「タフで勇気ある切り込み隊長」
◆センター(Center Three-quarter Back)は、前から3/4で、その真ん中に位置することから、その名前の由来があります。
◆『フィジカルの強さと正確なスキル』。
◆攻撃では相手をふりはらい走る。
◆守備では身体をはって止める。
◆スピードに乗ってから相手にぶつかるポジションです。
◆タックルされながらのパス、所謂、必殺技「オフロードパス」を行う。
◆攻撃ではチャンスを広げ、
◆ディフェンスではタックルで相手を止める。
◆激しい接触が多く、強いメンタルも必要です。
◆オフロードパス
・オフロードパス(略:オフロード)とは、タックルを受けながら味方にボールを繋ぐパスのことをいいます。
・ニュージーランドやフランス、フィジーが得意とするプレーの一つで、このオフロードパスが決まれば、大きなチャンスやトライが生まれることが多いです。
・タックルを受けながら放ったパスが、オフロードパスです。
・近年のラグビーでは、全体的にディフェンス力が向上しているため、ただ闇雲に攻めるだけではディフェンスラインを突破することは中々難しいです。
・でもそこにキックを取り入れたり、オフロードパスをすることで、固いディフェンスラインをこじ開けることができます。
・このオフロードパスは、タックルを受けながら正確にボールを投げなければいけないので、高いパススキルとタックルをずらすボディコントロール、視野の広さが必要とされます。
・また、オフロードパスを成功させるには、「パスする側」の能力だけでなく、「受け手側」の立ち位置(サポート)も非常に重要となります。
・いくらオフロードパスが上手い選手でも、仲間のサポートがなくボールを投げられる場所に誰もいなければ、パスすることはできないからです。
・そのため、オフロードパスは、サポート選手が良いタイミングで良い場所に走り込む必要があります。
・すなわち、双方の阿吽の呼吸が重要なプレーでもあります。
ウィング/WTB
◆背番号:11、14
「最後の仕上げ、トライゲッター」
◆ウィング(Wing Three-quarter Back)は「翼」。
前から3/4で、その両端に位置するからウィングと呼ばれる。
◆『切れ味鋭い動きでトライ!』
◆味方がつないだボールを得点につなげるのが役目です。
◆ボールを持って走るには、次の2つのタイプがあります。
①1つ目は、切れ味鋭い「刀」のようなタイプです。即ち、
相手に触れさせないように鋭くジグザグに動いて走り抜けます。
②2つ目は、パワーで切り裂く「斧」のようなタイプです。即ち、
相手のタックルを跳ね返して突破して走り抜けます。
◆スタンドオフからのキックパスをキャッチして敵陣に切り込みます。
◆トライを奪う役目です。
◆相手の守備網をスピードやキレ、力強さで突破します。
◆高く上がったハイボールのキャッチも重要な役目です。
フルバック/FB
◆背番号:15
「攻撃にも参加する最後の砦」
◆フルバック(Full Back)は、「最も後ろ」にいるポジションからその名は由来します。
◆『責任感と大胆さを併せ持ちます』
◆うしろにはだれもいない。
だからキックで陣地を挽回します。
◆時には最後尾からのカウンターアタックもあります。
◆最後の砦として相手の攻撃を防ぐ守備だけではなく、攻撃に参加してチャンスも作ります。
ダイレクトタッチ
図4(a)は、ダイレクトタッチのボールの軌跡を示した図です。
図4(b)は、ダイレクトタッチ後に行われるラインアウトの位置を示した図です。


図4(a)に示されるように、ダイレクトタッチとは、自陣22mラインより敵陣側で蹴ったボールが直接タッチラインの外に出てしまうことをいいます。
いわゆる「ミスキック」で、図4(b)に示されるように、この場合は蹴った地点まで戻されて、相手ボールのラインアウトで試合は再開します。
自陣22mラインより敵陣側からのキック
図5(a)は、相手陣の地面にバウンドさせて、タッチラインの外に出たボールの軌跡を示した図です。
図5(b)は、ボールを相手陣の地面にバウンドさせて、タッチラインの外に出た後に行われるラインアウトの位置を示した図です。


自陣22mラインより敵陣側(外側側)からのキックは注意が必要で、蹴ったボールが「地面」や「選手」に触れず直接タッチラインの外に出てしまった場合はダイレクトタッチになってしまい、蹴った地点まで戻されて「相手ボールのラインアウト」となります。
そのため、自陣22mラインより「外側」で蹴る場合は、図5(a)に示されるように、地面にバウンドさせてからタッチラインの外に出す必要があります。
図5(b)に示されるように、ボールがタッチラインの外に出た地点から「相手ボールのラインアウト」で試合は再開します。
尚、注意点としては、ちなみに、自陣22mラインの「外側」にあったボールを、22mラインの「内側」に一度戻したあと、外に「直接」蹴り出してしまった場合は、ダイレクトタッチと同じ扱いになってしまうから注意が必要です。
この場合も、蹴った地点まで戻されて、「相手ボールのラインアウト」で試合は再開されます。
自陣22mラインより内側からのキック
図6(a)は、自陣22mより内側からキックした場合、タッチラインの外に直接的に出たボールの軌跡を示した図です。
図6(b)は、自陣22mより内側からキックした場合、タッチラインの外に直接的に出た後に行われるラインアウトの位置を示した図です。


一方、図6(a)に示されるように、自陣22mラインより内側から蹴ったボールは、バウンドにかかわらず、図6(b)に示されるように、ボールがタッチラインの外に出た地点から「相手ボールのラインアウト」で試合は再開します。
図7(a)は、自陣22mより内側からキックした場合、タッチラインの外に間接的に出たボールの軌跡を示した図です。
図7(b)は、自陣22mより内側からキックした場合、タッチラインの外に間接的に出た後に行われるラインアウトの位置を示した図です。


もちろん、図7(a)に示されるように、自陣22mラインより内側から蹴ったボールは、バウンドして(間接的に)タッチラインの外に出た場合、図7(b)に示されるように、ボールがタッチラインの外に出た地点から「相手ボールのラインアウト」で試合は再開します。
50:22「フィフティ・トゥエンティトゥ」
・ここでは、2021年8月から採用されているラグビーの新ルール(試験実施ルール)、50:22について説明します。
・「ごじゅったい にじゅうに」や「ごじゅう にじゅうに」と読みたいところだけど、世界的には「フィフティ・トゥエンティトゥ」と呼ばれています。
・この50:22(フィフティ・トゥエンティトゥ)は、自陣から蹴ったボールが敵陣22mラインを超えて間接的にタッチラインの外に出るキックのことをいいます。
・本来であれば「相手ボール」のラインアウトで始まるところ、この新ルールではキックをしたチーム(マイボール)のラインアウトで試合が再開します。
・これから図8(a)、図8(b)、図9(a)及び図9(b)を用いてわかりやすく解説します。
図8(a)は、自陣からキックした場合、敵陣22mラインの奥側でバウンドしてタッチラインの外に出たボールの軌跡を示した図です。
図8(b)は、自陣からキックした際に、敵陣22mラインの奥側でバウンドしてタッチラインの外に出た場合、タッチラインの外に出た後に行われるラインアウトの位置を示した図です。
図9(a)は、自陣からキックした場合、敵陣22mラインの手前側でバウンドしてタッチラインの外に出たボールの軌跡を示した図です。
図9(b)は、自陣からキックした際に、敵陣22mラインの手前側でバウンドしてタッチラインの外に出た場合、タッチラインの外に出た後に行われるラインアウトの位置を示した図です。
50mラインと22mライン
まず、『50:22』とは、その名前の通り「50mライン」と「22mライン」が深く関わっています。
50mラインとは、いわゆる「ハーフウェイライン」のことで、22mラインは「敵陣22mライン」のことです。
図8(a)「22mラインの奥側でバウンドしてタッチ」及び図9(a)「22mラインの手前側でバウンドしてタッチ」では、50mライン、敵陣22mラインに着目して、『50:22』はこれらの線をまたぐキックであることからこの名称が名付けられました。


『50:22』の成立条件
・この『50:22』は、蹴ったボールを必ず地面に1バウンド以上させてからタッチラインの外に出さないといけません。
・これをラグビーでは「間接的」と表現するんだけど、ボールが地面に触れず「直接」タッチラインの外に出てしまった場合は、蹴った位置(自陣22mより敵陣側で蹴った場合)によって「ダイレクトタッチ」という反則になってしまうから注意が必要です。
・ちなみに、地面にバウンドさせる場所は、敵陣22mラインより「奥側」(図8(a)を参照)でも「手前側」(図9(a)を参照)でもどちらでも成功です。
・大事なのは、自陣ゴールラインから自陣50mまでのエリアで蹴って、敵陣22mから敵陣ゴールラインまでのエリアでボールをタッチラインの外に出すことです。
・これにより、この新ルールではキックをしたチーム(マイボール)のラインアウトで、タッチラインの外に出た位置から試合が再開します(図8(b)及び図9(b)を参照)。


ペナルティキックの場合
・上記で説明したタッチキックとは違い、ペナルティキックでは「蹴った位置」や「バウンド」にかかわらず、タッチラインに出た地点での「マイボールラインアウト」で試合は再開します。
・ペナルティキックに「ダイレクトタッチ」は関係ないです。
・陣地も稼げる上に自分たちのボール(マイボール)で始めることが出来るから、蹴り出した側はとても有利になります。
・このように、ペナルティ(反則)をしてしまうと相手に大きな得点チャンスを与えてしまうことになるから、ラグビーでは「規律が大事(反則しないことが大事)」だといわれています。
女子日本代表の南早紀(みなみ さき)主将のプロフィール
◆名前:南 早紀(Saki MINAMI)
◆生年月日:1995年11月18日
◆出身:福岡県筑紫野市
◆所属:横河武蔵野アルテミ・スターズ
◆ポジション:PR(プロップ)
◆身長/体重:163cm/70kg
◆主な経歴:
・太宰府少年ラグビークラブ
・筑紫高校
・日本体育大学
◆日本代表「キャップ」:22
※2017年ワールドカップ日本代表
※2022年7月1日時点
——————————————
・キャプテンとして身体を張り続ける、走力に長けたPR
・スクラムだけでなく走力、突破力にも長けた右PRでサクラフィフティーンのキャプテンを務める。
・兄・祐貴(筑紫高校→関西学院大学卒)の影響で3歳から福岡・太宰府少年ラグビークラブで競技を始めた。
・その後は福岡レディース、筑紫高校でプレーし、高校2年時、第1回全国高校選抜女子セブンズに出場。
・さらに高校2・3年でU18花園女子セブンズにも選ばれました。
・日本体育大学に進学し、太陽生命ウィメンズシリーズでも活躍。
・2015年の2年時に15人制の日本代表に選ばれ、カザフスタン代表戦で初キャップを獲得。
・2017年ワールドカップに出場しました。
・2018年から横河武蔵野アルテミ・スターズでプレーし、
・2019年から日本代表のキャプテンを務めており、バーバリアンズにも選ばれています。
・現在もキャプテンとしてチームとスクラムを引っ張り、
5月にはフィジー代表、オーストラリア代表撃破に大きく貢献した。
・国際経験も豊富なリーダーが2度目のワールドカップで日本代表を上位進出に導きます。
◆人物
・小・中学校時代はラグビーだけでなく、柔道もしていた。
・兄・祐貴さんは筑紫高校で3年連続、花園予選の決勝で藤田慶和らのいた東福岡に敗れた。
・「stand.fm」の「サキトーーク!」でラジオ配信をしています。
・同姓同名の声優さんもいます。
・好きな食べ物はスイカ、うなぎ。
・休日は家でゆっくりするという。
・自分の性格は「社交的なインキャ」と話す。
QUESTION
Q.ニックネーム(または、応援する時にどう呼んで欲しいか?)
早紀ちゃん
Q.キャッチフレーズ
筑紫育ちのスクラム職人
Q.自分のテーマソング
Danza Kuduro
Q.ベンチプレス、スクワットは何キロ?
ベンチプレス:100kg
Q.ラグビーを始めた年齢・キッカケ
3歳 兄の影響
Q.ラグビー以外にやっていたスポーツ、習い事、部活など
柔道、水泳、ピアノ
Q.遠征の時必ず持っていく物
日記帳/耳栓
Q.好きな寿司ネタ
いくら/うに
Q.意外な一面 ※ギャップ萌えポイント
中心にいるようでいないインキャなところ
Q.最近、心がほっこり温まった事
アルテミ・スターズのアカデミー生が練習に行くたびに「大好きです!」と言ってくれるところ。
Q.よく連絡を取りあう選手は?
伊藤優希
Q.他の日本代表選手のキャラを教えてください
伊藤優希
超絶ストイック/オタク気質/オールマイティ/甘えん坊
Q.最近、背伸びして購入したもの
眉アートメイクをしたこと。
Q.オフの日のリラックス方法
ねること、おふろに入ること
Q.座右の銘
何とかなる
フランカー/FLの齊藤聖奈(さいとう せいな)選手のプロフィール
◆名前:齊藤 聖奈(Seina SAITO)
◆生年月日:1992年5月30日
◆出身:大阪府富田林市
◆所属:MIE PEARLS
◆ポジション:FL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)
◆身長/体重:164cm/72kg
◆主な経歴:
・富田林ラグビースクール
・四天王寺羽曳ヶ丘高校
・大阪阿倍野HOLLY’S
◆日本代表キャップ:「27」
※2017年ワールドカップ日本代表
※2022年7月1日時点
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◆前回ワールドカップは主将で出場。
◆献身的なプレーが光るベテランFL
◆人物
・小学1年生の頃、兄と幼馴染の影響でラグビーを始めた。
・中学2年生で関西女子の18歳以下代表に選出。
・2009、2010年度にはU18花園女子セブンズに出場されるなど、早くから将来が期待されていた選手だった。
・大阪体育大学に進学後の2011年、日本代表に選出され、2012年に香港代表戦で初キャップを得ると、その後は中軸としてのプレーを続けている。
・大学卒業後は「MIE PEARLS」でプレーし、2016年からサクラフィフティーンのキャプテンを任され、
・2017年ワールドカップではチームを牽引した。
・また、2019年にはバーリアンズ※の一員にも選ばれて、ウェールズ代表とも対戦した。
※バーバリアンズは、1890年にウィリアム・パーシー・カープミール氏によってイングランドで創設された招待クラブで、女子バーバリアンズは2017年に初めて結成されました。
・春の遠征でもフィジー代表戦で先発し、勝利に貢献。30歳となり、
FW(フォワード)では最多の27キャップ(2022年7月1日時点)を誇るが、
リーダーシップ、ハードなボールキャリー、タックルなどチームには必要不可欠な存在である。
◆座右の銘は「Be a good person」だ。
◆趣味は映画を見ることや買い物、スイーツ探し、料理など。
◆好きな食べ物はお寿司、焼き肉、チョコレート。
◆愛称は「せいな」「せな」。
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QUESTION
Q.ニックネーム(または、応援する時にどう呼んで欲しいか?)
せいな
Q.自分のテーマソング
remember the name
Q.ベンチプレス、スクワットは何キロ?
ベンチプレス:75kg/スクワット:115kg
Q.ラグビーを始めた年齢・キッカケ
6歳 兄の影響
Q.ラグビー以外にやっていたスポーツ、習い事、部活など
バレーボール
Q.遠征の時必ず持っていく物
チョコレート
お気に入りのボディクリーム
お守り
Q.好きな寿司ネタ
ホタテ、いくら、うに
Q.意外な一面 ※ギャップ萌えポイント
キャラ弁作れます?
Q.最近、心がほっこり温まった事
いま釜石合宿で使用させて頂いている施設のお婆さんがすごく嬉しそうに私たちを歓迎してスピーチしてくれた姿を見たこと
Q.よく連絡を取りあう選手は?
PEARLSの末選手
Q.他の日本代表選手のキャラを教えてください
中山潮音選手は前回のオーストラリア遠征でルームメイトだったのですが、見てるだけで愛おしくなるような愛嬌の持ち主です!
彼女は自分がする行動全てを口に出していちいち同じ部屋にいる私に報告してきます。笑
Q.最近、背伸びして購入したもの
車!
Q.オフの日のリラックス方法
家で映画を見る
shopping
ラグビーワールドカップ(女子)いつからどこで開催?のまとめ
◆ラグビーワールドカップ2021(RWC2021:Rugby World Cup 2021)は、ニュージーランドで2022年10月8日から11月12日まで開催予定の第9回ラグビーワールドカップです。
◆日本代表チームは、プールBの所属し、カナダ、アメリカ、イタリアとリーグ戦を行います。
◆日本代表チームは、プールBの上位1、2位を目指すと共に、3位に終わった場合、最も得点が高かった2チームも参加できる、ノックアウトステージに進むことを目指します。