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高難易度ミネルバ大学とは?カリキュラムや授業形態や入試方法や学費は?

 




 

2014年に9月に創立されたミネルバ大学をご存知ですか?

企業との協働プロジェクトの推進など、私たちが知っている一般的な大学とは大きく異なり、ユニークな学びのスタイルが世界中から注目されるようになり、創立されてからまだあまり年数がたっていなく歴史は浅いものの、ハーバード大学やスタンフォード大学等の有名大学を蹴ってまで入学を志願する学生が集まる超難関大学です。

日本では聞き慣れないこの大学は、なんとキャンパスがないのです。

世界7カ国の国際都市をキャンパスと見立てつつ巡りながら、個人技能である「クリティカル(批判的)思考」と「クリエイティブ(創造的)思考」、対人技能である「プレゼンテーション能力」と「コミュニケーション能力」を合わせた「4つのコア技能」の習得を教育の核としたカリキュラムを実現させるために、授業は全てオンライン講座で行われる授業形態です。

入試方法は、全てオンラインで3つのプロセス(Who You Are? How You Think? What you have achieved?)が評価され行われます。

学費は、合格者全員に経済的事情に応じた返済不要の奨学金制度を設けています。

本記事では、

・ミネルバ大学とは?その歴史は?
・「事前課題」が必須なカリキュラムとは?
・全てオンライン講座で完結する授業形態の内容とは?
・全世界から優秀な学生が集まる超難関且つ公平な入試方法とは?
・有名大学の学費の3分の1から4分の1程度の学費とは本当か?何故可能か?

について調べ、今回はその「ミネルバ大学」について迫りましたので、
興味のある方は読み進めて頂けると幸いです。

『ミネルバ大学』とは?どんな学校なのか?

ミネルバ大学(Minerva School at Keck Graduate Institute(KGI))は、2014年9月に開校したアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置く総合私立大学です。

大学名の「ミネルバ」とは、ローマ神話の知恵の女神を意味します。

2019年9月現在、生徒数は600人程度で、日本人も数名在籍しています。

在学生の約78%(2016年度入学実績)が留学生という国際性に富む環境で、各学年が一緒に4年間で7つの国際都市を巡り、クラスメイトと共に学習はもちろんのこと、実際に生活してさまざまな学びを得ていきます。

現地の企業やNPO、行政機関や研究機関との協働プロジェクトを行う実践的なプログラムも大きな特徴の一つです。

また「学習の科学」をベースに設計された、オンライン学習用プラットホームを用いたカリキュラムを採用することにより、従来の教室型授業では実現できなかった高い学習効果を実現しています。

さらに、あえてキャンパスを持たない運営方法によって、トップエリート校で問題となっている「高騰する学費」や「実社会との接点の少なさ」といった課題を解決していて、まさにミネルバ大学は新時代の大学と言える存在なのです。

創設者ベン・ネルソン氏のミネルバ大学の創立までの経緯

2012年4月、ミネルバ・プロジェクトは、ミネルバ大学となる学部プログラムを作成するためにベンチマーク・キャピタルからベンチャー資金として2500万ドルを調達しました。

2013年3月にはハーバード大学で社会科学部局長を務めていたステファン・コスリンが入社し、初代部局長を務めました。

彼はリベラル・アーツの4つの大学の学長を雇い、ミネルバのセミナーベースのカリキュラムの開発を監修しました。

同2013年7月にプロジェクトはKGIと提携し、ミネルバ大学を正式に立ち上げました。

リベラル・アーツとは、 伝統的に、古代ギリシャ・ローマに理念的な源流を有し、欧州の大学制度において中世以降から19世紀後半~20世紀まで、「人が身につけなければならない学芸の基本」と見なされていた自由七科・自由学芸のこと。具体的には、文法学・修辞学・論理学の三学、および算術・幾何学・天文学・音楽の四科のことであります。

即ち、ミネルバ大学は、ベン・ネルソン氏(Ben Nelson)が設立した実験的高等教育機関であるミネルバ・プロジェクトが、Keck Graduate Institute(KGI)をパートナーとして2014年9月に創立したアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置く総合私立大学です。

サンフランシスコに拠点を置き、「高等教育の再創造」を掲げた教育事業会社であるミネルバ・プロジェクト(Minerva Project)社が、「21世紀最初のエリート大学」として設立したのが始まりでした。

ベン・ネルソン氏は「大学は、真に知的な人間を育てる方向から、ただ知識を与える方向に退化してしまったのです。」とインタビューで答えています。

また、ベン・ネルソン氏は、現在のアイビーリーグ(ハーバード大学、イェール大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ブラウン大学、ダートマス大学、コーネル大学の8校で、アメリカ北東部に位置する名門私立大学の総称)では、超富裕層の子弟が入りやすく尊重されているのが現状だと主張しています。

実際には、1%の超富裕層からの子弟が全体の5割になることもあり、結局限られた人々が身内でのパワーゲームに明け暮れているの現状で、本当に優秀な学生たちがアイビーリーグに入学できていないのが実態だと主張しています。

このような問題点を解決するために、ベン氏はミネルバ大学の創立を志したそうです。

ミネルバ大学の「カリキュラム」設計の核となる「4つのコア技能」

ミネルバ大学のカリキュラムは、理解の幅と専門知識のバランスがとれるように明確に設計されています。

4年間のカリキュラムは、理解の幅と専門知識の深さのバランスがとれるように明確に設計されています。

初めに、科学と人文を横断する「心の習慣」と「基礎概念」を導入する4つの「コーナーストーンコース」を受講します。

これにより、個人技能である「批判的思考」と「創造的思考」、
対人技能である「プレゼンテーション能力」と「コミュニケーション能力」を養います。

その後、専攻を決定し、学問を深めていきます。

2016年に意思決定分析の科学で修士を提供することにより、大学院教育まで拡大しました。

個人技能である「クリティカル(批判的)思考」と「クリエイティブ(創造的)思考」、対人技能である「プレゼンテーション能力」と「コミュニケーション能力」を合わせた、「4つのコア技能」が教育の核となっています。

そして、それぞれの核を継続的かつ体験的なプロジェクト学習、パフォーマンス評価や学習データ分析に基づいた素早いフィードバックや適切なアドバイスを通じて、習慣的、経験的に身に付けられるようにデザインされています。

一般的な大学の専門知識ではなく、4つのコア技能を身に付けることで、将来どんな職業に就いても活躍できる最善の「学び方」だと言えます。

では、具体的に4つのコア技能を身につけるためにどのような取り組みをしているのでしょうか。一つ一つ見て見ましょう。

クリティカル思考力『Critical Thinking』

クリティカル思考力とは、あることに対して、見たまま、聞いたままではなく、問題の本質を理論的に整理し、自分の経験やさまざまな要因を考慮しながら、考えられる解決策を導き出し、現状に適した最良の選択を行う能力です。

ミネルバ大学では、どのようにすれば社会の重要な課題を発見することができるのかを学んでいきます。

日本でよく見られる、与えられるだけの受け身の授業スタイルでは到底身につくことがないこの能力ですが、ミネルバ大学のオンライン授業では、自ら考え調べ、何が問題なのかを見つけるスキームが数多くあり、自然とクリティカル思考力が鍛錬されるカリキュラムとなっています。

全ての思考の根源となる能力なため、とても重要な能力と言えます。

クリエイティブ思考力『Creative Thinking』

クリエイティブ思考とは、問題解決にあたり、さまざまなアイディアを発想し、それを分析、試行、評価しながら、現状に合わせて、柔軟な変更を行う能力でです。

クリティカル思考を使い見出した課題に対する、クリエイティブな解を導き出す手法になります。

見つけた問題に対して、ただなんとなく問題だととらえるのではなく、もう1歩踏み込んで具体的な解決策などを順序立てて組み立てることができる能力です。

ミネルバ大学では、多様な感性を持った多国籍な学生たちと常に新しい体験と隣り合わせの日常が経験できます。

その経験を糧に日々クリエイティブな思考が培われ、そんな経験を積み重ねていくうちに、自分の問題解決のアイディアに磨きが掛かり、次のプレゼンテーション能力に繋がっていくのです。

プレゼンテーション能力『Effective Communication』

プレゼンテーション能力は、レポートや文章を通して人を動かすための技法や、大勢の人の前で行うパブリック・スピーチなどが挙げられます。

また、急に話を振られた時のピッチ、会議でもプレゼンテーションを行う際に有効なフォーマットや自分に適したスタイルを知るための重要な能力です。

自ら見つけた問題に対して、どれだけ具体的に実現可能な答えを導き出せるかが鍵となります。

ミネルバ大学の授業は、常に生徒によるプレゼンテーションが行われているオープンで発信型の授業です。

つまり、その授業でしっかりとプレゼンテーション能力を鍛錬することができ、どのようにしたら相手に自分の言いたいことがより良く伝わるのかが理解できるようになります。

対人コミュニケーション能力『Effective Interaction』

対人コミュニケーション能力とは、リーダーシップを発揮するために必要な「人を動かす」さまざまな能力です。

人を動かすためには、まずは自分を知ってもらうことから始めないといけません。

相手から「この人はどんな考え方を持っているのだろう」と興味を持ってもらうことからコミュニケーションがスタートします。

この対人コミュニケーション能力は数値で測ることができないため、非常に習得するのが難しい能力だと言えます。

ご存じの通り、ただ話すだけではコミュニケーション能力はつきませんので、前に説明した3つの能力もフル活用しながら、スマートに自分の意見を相手にわかりやすく説明する必要があります。

相手とのコミュニケーションをする上で、相手の奥にある気持ちもくみ取りつつ自分の意見も伝えることができる、そんなコミュニケーション能力を身に付けることができます。

 




 

ミネルバ大学のユニークなオンライン授業

ミネルバ大学ではほとんどの授業をオンライン授業で行っています。

ミネルバ大学の大きな特徴の一つでもあるオンライン授業は、パソコンとネット環境が整っていれば、世界中どこにいても授業に参加できるというメリットがあります。

受講する人の中には、好奇心旺盛で勉強意欲が高い人や世界をまたいで活躍する人が多く、出張先から参加する学生もいて、場所の制約を受けないバーチャルクラスは、まさに今の時代にあった授業スタイルなのではないでしょうか。

また、授業は前もって収録された一方通行のつまらない授業ではなく、全てセミナー形式で生徒の議論中心に授業が進んでいきます。

この授業形態を続けることで、生徒は学びに夢中になり、密度の濃い緊張感のある授業を可能にするのです。

では、ミネルバ大学の特色あるオンライン授業がどのように行われているのか、詳しくみていきましょう。

ミネルバ大学の2種類の授業形態

ミネルバ大学での授業形態は大きく分けて、「アクティブラーニングによるオンライン授業」と、「行く先々の滞在地で設定された特色あるプロジェクト授業」の2つがあります。

どちらも計算されたカリキュラムやテクノロジーの活用で、学生たちのグローバルに活躍できる才能を伸ばすことができる素晴らしい授業形態です。

それぞれの授業の特色をうまく活用し、また使い分けながら、学生たちは深い学びを効率的良く進めることができるのです。

では、その2つの授業形態の特徴について掘り下げていきます。

「18人以下のセミナー形式」の授業

ミネルバ大学では、18人以下のセミナー形式が、もっとも議論を活性化するという考えから、少人数制のクラスを採用しています。

少人数制のクラスで授業を行うことで、学生は発言するチャンスが多く与えられ、その結果、授業に能動的に参加できます。

ミネルバ大学のカリキュラムや教授法を設計したコスリン教授は、心理学・脳科学・認知科学のスペシャリストで
人が最も効率よく学習できる条件が3つあると主張しています。

・脳を通常より負荷をかけた状態で稼働させる
・繰り返し練習が行える環境で学ぶ
・能動的に授業に参加できる状態

これらの条件を全て満たしているのが、この少人数制のセミナー形式の授業なのです。

成績は毎回の講義ごとに5段階で評価されるので、現時点での自分の理解度などを認識できます。

授業参加には「事前課題」が必須

授業を開催する教授は、授業中最低でも75%はグループワークや議論に参加する時間とされています。

90分授業であれば、教授は10分しか話すことができないのです。

つまり、授業内容は学生同士のディスカッションがメインとなるため、授業に参加する生徒は事前課題をやっておかないといけません。

ミネルバ大学の授業は、平日の午前中に2コマのみで、午後の時間は基本的に自由です。

午後の時間は、多くの学生が次の授業の際にどのような立ち位置で何を発言するのか、自分の中でどのように発信するのか、など事前課題に時間を割いており、自発的に考え準備します。

そして、授業当日になると、事前に準備したものを学生同士が議論できるので、結果として質の高い学びになるのです。

教師は授業中「10分以上話していけない」!?

先述したように、授業を開催する教授は、授業中最低でも75%はグループワークや議論に参加する時間とされています。

授業時間が90分ならば最低でも80分以上は授業に参加している学生でのディスカッションの時間にあてなければなりません。

即ち、授業は、教員の講義ではなく、学生同士のディスカッションを中心に進められます。

これはよくある1方通行の講義をネットで配信するのではなく、双方の意見が自由闊達に飛び交うためのルールだといえます。

たとえ教師であっても、その意見交換の場を阻害することができないのがミネルバ大学の授業の特徴です。

アクティブ・ラーニングで高い集中力、能動的な授業が成立

ミネルバ大学では、全ての授業を完全なアクティブラーニングで行なっています。

アクティブラーニングとは、教師が一方的に知識の伝達を行うのではなく、学生が主体的になって学ぶスタイルのことを指します。

つまり、授業の主人公は、まさにそこで学ぶ学生たちなのです。

この授業は、「アクティブラーニングフォーラム」という独自に開発されたオンラインプラットフォームを通じて行われます。

たとえば、授業が始まる前に自分の意見を表明することでき、それを全員分グラフ化することでスムーズなディペートに移行できたりと、
時間をロスすることなく作業に移ることができます。

このアクティブラーニングをオンライン授業で行うことで従来のクラスではできなかった、
担当講師が一人一人の生徒の技能レベルや特徴を把握し、記録された情報に基づき、教師間で共有することが可能になるのです。

「全ての授業を記録!」何度でも見返すことが可能

アクティブラーニングを行うことのメリットとして、全ての授業が記録され、簡単に見返すことが可能であるという点です。

一般的な大学の授業だと、教師が授業中に板書したものを自分のノートを書き写し、それを見返すことで学習の理解度を深める作業をしていました。

しかし、オンライン授業だと、授業そのものを記録し見返すことが可能なため今までノートを必死に書き写していた時間を、他の学生たちとのディスカッションの時間にあてることができます。

時間を有効に使うことができ、自分の理解度に応じて、見たいところだけを見返すこともできるので、とても合理的に復習し理解を深めることが可能です。

すべての授業は録画されているため何度でも見返すことが可能で、音声が自動筆記で即時にテキスト化されるので、
講師からのフィードバックも早く確実になるなど、学生たちの深い学びが効率良く進められるようになっています。

教師からの「高頻度のフィードバック」

ミネルバ大学では、全ての授業をオンラインで行なっていますが、オンラインでは対面授業と違い、
各々の学生の様子がわかりにくいのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。

しかし、ミネルバ大学で行われているオンライン授業ではさまざまなシステムが導入されており、
その不安を払拭することに成功しています。

その一つに教師からの高頻度のフィードバックが挙げられます。

教師は、自分の画面を分割し、学生の顔色や仕草など瞬時にわかるようになっていますし、
学生の発言の回数に応じて画面の色分けをし、視覚的にも誰が理解して、
誰が理解できていないのかを瞬時に判断することが可能です。

また、音声が自動筆記で即時にテキスト化されるので、
講師からのフィードバックも早く確実なものになります。

教師は学生たちに、的確に素早くフィードバックを行い次の授業につなげていくのです。

「7つの国際都市」で行うプロジェクト学習

ミネルバ大学の大きな特徴の一つに「7つの国を渡り歩いて学ぶ」というスタイルがあります。

つまり、ミネルバ大学の学生たちは、
1年次の
サンフランシスコ(アメリカ)を皮切りに、
ソウル(韓国)、ハイデラバード(インド)、ベルリン(ドイツ)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、ロンドン(イギリス)、台北(台湾)と7つの都市に移り住みながら、
自分の好きな場所でオンライン授業が受講できるのです。

これを聞いただけでも、心がワクワクしますよね。

ミネルバ大学があえてキャンパスを持たずにこのような授業形態をとる背景には、
トップエリート大学の「学びの質」と「非効率的な経営」に疑問をもち、
高等教育をあるべき姿に戻すためのベンチマークでありたいという強い使命があります。

ベンチマークとは、本来は測量において利用する水準点を示す語で、転じて金融、資産運用や株式投資における指標銘柄など、比較のために用いる指標を意味する。また、広く社会の物事のシステムのあり方や規範としての水準や基準などを意味する。

この7つの都市で生活しながら学ぶことで、生きた経験学習が可能になり、学生たちは、滞在地で現地の企業、行政機関、NPOなどと協働プロジェクトやインターンを経験することにより、現地の人とより濃密なコミュニティーを構築することができるのです。

『4年間7都市で学生寮生活』

ミネルバ大学では、学部生の4年間に7つの都市で寮生活を行います。

これは都市全体がキャンパスであるという理念に基づいています。

実際にその都市に住んでみることで、旅行や文献では知ることのできない価値のある経験をすることが可能になります。

学生は生活している場所での社会貢献活動を求められ、現地の問題など異文化体験をすることになります。

4年間で回る都市とそのスケジュールは以下の通りです。

1年目 サンフランシスコ(アメリカ) サンフランシスコ(アメリカ)
2年目 ソウル(韓国) ハイデラバード(インド)
3年目 ベルリン(ドイツ) ブエノスアイレス(アルゼンチン)
4年目 ロンドン(イギリス) 台北(台湾)

また、ミネルバ大学の寮は質素で決して華やかではありません。

アメリカのエリート大学のようにスポーツ施設があったり、おしゃれなカフェテリアがあったりすることはありません。

運動をしたければ、街に出かけて運動できる場所を探し、カフェに行きたければ街のカフェに行けばいいのです。

そうすることで、その土地での体験学習にも繋がっていきます。

このように、ミネルバ大学は豪華なキャンパスや施設をあえて持たないため、優秀な講師を採用する人件費にあてたり、高額になりがちな学費を抑えることに注力しています。

プロジェクト学習の狙い

ミネルバ大学で行われているプロジェクト学習は、世界の異なる文化圏に実際に居住、生活し、直に感じながらさまざまなことを体得できるのが大きな特徴です。

たくさんの企業や団体が、その考え方に賛同し、協働プロジェクトやインターンとして多くの学びの場を大学に提供しています。

学生自身が、発展途上国から先進国まで実際に自分の足を運び、自分の目で見て、感じ考え調べ、発信することで、世界の現状を知ることに大きな意義があります。

このプロジェクト学習を行うことで、体得した知識を「柔軟性を持った知恵」にレベルアップさせることが学習の狙いなのです。

 




 

ミネルバ大学で学ぶこと

1年次(サンフランシスコ)では、教養課程のような共通の授業を通して、物の見方の120パターンの癖を矯正し、4つの学びの基本コンセプトを学びます。

・分析(複雑な課題を解決する統計、論理、意思決定判断、シミュレーションなど)
・複雑系(相互作用、複数の因果関係、コミニュケーションなど)
・実証分析(問題を効果的に組み立て、仮説、検証など)
・修辞学(多様なコミュニケーション方法を探る)

これらの課程を経て、それぞれ専攻を2年次に決定し、より専門化されたコースで学びを深めていきます。

専攻は「芸術・人文科学・ビジネス・計算科学・自然科学・社会科学」の5分野です。

5つのプログラム(社会科学、芸術・人文科学、自然科学、計算科学、経営科学の学士号)のWASC(The Western Association of Schools and Colleges)地域認定を受けました。

3、4年次では、自分の専門分野から「何か新しいものを生み出す」という課題が与えられ、学生たちは、多くの時間を自分の卒業プロジェクトに費やします。

学生たちは、それぞれの場所で生活しながら、オンライン授業を受け、滞在都市にある最新の研究施設や図書館を利用し、また現地の企業や行政機関との協働プロジェクトやインターンシップを経験することで学びを深めていきます。

また、都市ごとに学びのテーマがあり、実際に暮らしている各都市に即した幅広い内容の事柄を学ぶこともできます。

ミネルバ大学の「入学審査方法」と財務支援制度

ミネルバ大学の審査方法は、前述しましたが、全てオンラインで3つのプロセス(Who You Are、How You Think、What you have achieved)が評価され、行われます。

では、審査内容を詳しく説明していきます。

第1審査 Who You Are?

全ての出願はWho You Are(あなたは何者か?)から始まります。

出願生は、ミネルバ大学のホームページへ行き、まずこのWho You Areで名前、メールアドレスや、学校の成績や学歴などの基本情報を自己申告で記入し、「出願用アカウント」を作ります。

このアカウントは1人1アカウントと決まっており、個人が複数のアカウントを使って受験することは固く禁じられています。

入学審査のチャンスは年に3回ありますが、出願が認められているのは各年度に一回だけです。

また、課外活動実績の概要を3つまで記入する必要があります。

この概要は、のちに編集することができます。

第2審査 How You Think?

第2審査はHow You Think(どのように思考するのか)です。
ここでは、出願生の考え方が問われます。

具体的には

・Creativity (創造性)
・Mathematics (数学)
・Understanding (理解力)
・Reasoning (論理力)
・Writing (表現力)
・Expression (面接)

これらの6つの設問には、全て約7分~20分程度の時間制限がついており、質問にはその場で答えなくてはいけません。

また、設問内の大まかな方向は共通していても、受験生によって質問の内容が異なるので本当の実力が試されます。

辞書や計算機は持ち込めませんが、メモを取ることは可能です。

第3審査 What you have achieved?

第3審査は、What You Have Achieved(何を成し遂げてきたか?)です。

ここでは出願生自身の過去4年間(中、高、高校卒業後)の功績(画像、動画、リンクなど形式は問われない)についてアピールします。

自身の成し遂げたことを簡潔に述べ、なぜその活動が注目に値するのか、簡潔に記入し、その証拠を提出します。

これはエッセイではありませんので、物語のように抑揚をつけてドラマティックにする必要は全くありません。

質問されている内容に、正確に簡潔にわかりやすく答えることがポイントです。

合格者の中には華々しい活動や賞を受賞している人も、そんな優秀な成績を収めていなくても、地域コミュニティに貢献していたり、芸術活動の実績で合格している人も数多くいます。

つまり、「自分が誇りに思えるもの」を語れるかが重要になるのです。

成績証とカウンセラー・レポートの提出

ここでは、学校の成績証明書とカウンセラーレポートを提出が必要です。

成績証明書は、英語版があれば望ましいですが、期限に間に合わなければ日本語版でも提出可能です。

年に3回ある審査のうち、11月と1月にある審査に関しては必ずしも、高校3年時の成績を提出する必要はありません。

合格後、入学までに高校3年間の成績証明書を提出する必要があります。

カウンセラーレポートに関しては、進路指導の先生から、成績を補填するもの(全国模試での優秀な成績など)があれば、ここでコメントしてもらった書類を提出することができます。

 




 

ミネルバ大学の財務支援制度とは?

ミネルバ大学は、学費が高騰しないためのさまざまな工夫をしていると前述しましたが、それでもやはり多くの家庭にとって「学費」は大きな負担であることは間違いありません。

そこで、ミネルバ大学の財務支援制度として、入学審査時に一切の優先枠を設けずに、合格者全員に経済的事情に応じた返済不要の奨学金制度を設けています。

さまざまな国から学びにやってくる学生は、国籍だけではない経済背景なども含めた本当の意味での多様な背景が存在します。

在籍者の8割程度が、低金利学生ローンや学内インターンを利用し、その不足分を必要に応じて給付型奨学金として大学が提供しています。

これはNeed-based(必要に応じた)という考え方で、ミネルバ大学の学生全員に等しく提供されています。

しかし、各家庭によって奨学金の額は異なり、学生には必ず学費の1部の自己負担を求めます。

また、必要な奨学金の金額の違いで大学の合否の結果が変わることは全くはありません。

実は高くない?ミネルバ大学でかかる「学費」

ミネルバ大学は、直接キャンパスなどの施設を持たないため設備投資が不要だったり、直接学びに関係のない費用をカットすることで、高騰するアメリカのトップ大学のおおよそ3分の1から4分の1程度の学費になっています。

そうすることで、経済的なハードルを大幅に下げ、世界中の学生に広く門戸を開いています。

授業料は2019年1月現在で、1〜2年次は12950ドル(約140万円)で、3〜4年次は10950ドル(約120万円)です。(1ドル=110円で換算)

寮費等を含めると22950〜24950ドル(約250〜270万円)になります。(1ドル=110円で換算)

ハーバード大学だと、授業料が約46000ドル(約500万円)(1ドル=110円で換算)なので、その違いは一目瞭然です。

奨学金も潤沢に給付しているため、ミネルバ大学はお財布にも比較的良心的な大学と言えます。

ミネルバ大学入学に求められる『英語力』

ミネルバ大学は、入試、授業、日頃の会話も全て英語を使います。

日常会話程度ではなく、相手の意見が聞けるリスニング力と、自分の意見が言えるスピーキング力が必要になってきます。

今までミネルバ大学に見事合格した経験がある人は、海外留学の経験がある、もしくはインターナショナルスクールの経験がある人がほとんどです。

しかし、2019年度に合格した成松紀佳さんは、一般の公立高校から見事合格を果たしました。

英語が得意だったわけではないとインタビューで答えていますが、高校三年生からSAT®(Scholastic Assessment Test)の勉強を始め、見事合格することができたそうです。

ミネルバ大学では英語が必須になりますので、日頃から英語に慣れておく必要がありそうですね。

まとめ

今後、国際社会は目まぐるしく変化していくと予想されます。

そんな社会で活躍できる人材は、1つの文化圏に偏った考え方ではなく、世界中の複雑な問題を分析し、理想論や机上論ではなく、実効性の高い解決策を周囲を巻き込みながら実行していく能力が重要になってきます。

その能力を身に着けるためには、まずは主体性を磨き、自己発信力を高めていきましょう。

ミネルバ大学では、今までのエリート大学を含めた一般的な大学ではなし得なかった教育をしています。

世界で活躍できる人材を育成するために、世界中にあるキャンパスや独自のカリキュラムを利用し、段階を経て世界で活躍できるような能力を学ぶことができるのです。